ご注意。
この小説はレイアウト上、画面最大、フォントサイズ中にしてごらん下さい。そうしないと容赦なくレイアウトが崩れ、何が何やらよくわからなくなってしまいます。
また、ネスケの方やマックユーザーの方は上手く表示される自信がありません。ていうか、マックは経験上絶対崩れる自信があります。マックユーザーの方はごめんなさい・・・。
夢のまたユメ
だって
そんな嘘をついちゃったら、
君との関係、否定してるみたいで凄くイヤなんだ。
本当は、世界中に君を自慢したいのに。
今回のこの小説(と読んでいいのかどうかわからない・・・)は、当サイトの21000ヒットを踏んでくださった碩様にささげさせていただきます。
リク内容は「仕事をしている上杉を見ている南条」でした。
もう、本当にそのまんまですいません。もう少しひねれよ、って感じなのですが。あばば・・。
書いている途中ブ南なのか南ブなのか真面目にわからなくなりましたが最後の文章で「南ブでこれはありえねえー」という事になり、ブ南小説と銘をうたせていただきます。
上杉は、こういう嘘がきっと嫌いだろうなと思って書きました。「恋人なんかいない」って言ったら誰が悲しむかちゃんとわかってるんです。
しかし、このアトきちんとみっちり南条からお説教をくらいます。馬鹿です。
でも、「いない」と嘘をつかなかった上杉を、南条は少しだけ誇らしく思うわけで。
ああ、碩様こんな文章(もはや小説と呼べない)ですいません。受け取ってやってくださいませ。
キリ番を踏んでくださりありがとうございました!!
そして、画面が切り替わり、スポットライトを浴びる上杉の姿が映し出された。
上杉は至極楽しそうな顔で歌を歌う。
くるくるとまわり、にっこりと目を細めて。
南条はそんな上杉の笑顔と歌声を聞き、少し複雑な気持ちになった。
半分ほど減った紅茶をテーブルの上に置き、目を閉じる。
南条はあまり上杉が仕事をしているところを見るのは好きではない。
上杉の笑顔は無条件に誰にでも降り注がれるのだ。彼の声は、彼の笑顔は、彼の全ては、
自分だけのものでは決してありえない。
そして、目を開ける。
そこにはやはり上杉秀彦がいて、彼はカメラを相手に追いかけっこをしている。
本当なら、
彼の笑顔を、独り占めしたいのに。
出来る事ならその笑顔が、その光が降り注ぐのは
自分だけでありたいのに
「・・・俺はいつからこんな女々しい考えを持つようになったのだ」
南条は一人呟いて、ため息をついた。まったく、どうにかしている。こんな。こんな感情は。
音楽が止まり、上杉はカメラに向かって突進する。
南条は首をかしげ、何をするのかと思った。
そして、
彼はこれ以上ないくらいの笑顔でマイクを口元へやった。
「俺が愛してるのは世界中でたった一人だけ。」
南条は、息を飲む。上杉が次に何を言うのかは簡単に想像できた。
しかし、そんな事を言ったら、大騒ぎになる。
「やめろ」と頭の中で叫んではみたがもちろん彼に伝わるわけもなく。このままでは上杉の芸能生活はどうなってしまうかわかったものではないと南条は唇を噛んだ。
上杉の顔から、笑顔が消えた。
「愛してるよ。ナン」
ドゴっ
上杉の言葉は最後まで紡がれることはなく。
上杉秀彦の敏腕マネージャー春坂リツコ(27歳独身)は、綺麗なフォームで上杉秀彦にとび蹴りを食らわした。
次の瞬間、テレビ画面は切り替わり、明るい音楽とともにCMが流れ始める。
「まったく・・・!!馬鹿じゃないのかアイツは!?」
怒りを露わにしながら南条は、しかしほっと胸を撫で下ろし、それから携帯電話を手にとった。
もちろん、相手は今日本中に向かって愛の告白をしようとした大馬鹿マルチタレントに対してである。
彼は眉をひそめて怒りながらメールをカチカチと打ち始める。
真っ白なメール新規作成画面に、
ポタリと一滴。
涙が落ちたことは、誰も知らない。
(お、上杉だ。偶然だな。
これは・・歌番組か?頭の悪そうな女が司会なんだな)
(・・・芸人ではなかったのか。上杉)
(ふーん)
♪ピロリロリロリリピロ♪
「・・・上杉、また人の携帯の着信音を勝手に・・気の抜ける音楽だな」
(メールか。誰だ・・・なんだ。桐島か)
『今Brownがテレビに出ていましてよ』
「・・・・・」
(最初から見ていたなどとはとても言えないな)
カチ・カチカチカチ・カチ
「よし。これでいいか」
(いつもあのような言動ばかりでは芸人にしか見えないと思うが)
(思い出すな。デビューシングル発売のころ。なんというか、恥ずかしい以外の何者でもなかったがな。俺にとっては)
「・・・・・ム」
(馬鹿だな。本当に)
(どこかに出かける度に耳に入るから心臓に悪いんだ貴様の声は)
(・・・・喉が渇いたな)
(何かあったか・・。)
(コーヒーが良いな)
(しまった。コーヒーはこの前上杉が根こそぎ飲んでいったんだ)
(紅茶しかないな。まあ良しとするか)
(このインスタントはあまり好きではないのだがな・・・)
コポコポコポコポコポ・・・・・
(やはりインスタントには香りというものがないな。粉末だと特に。)
(上杉は何故こんなものを好んで飲むのだろうな・・・)
(熱いな・・・)
ごく。
ごく。
「ぶほっっっ」
「げほっ・・・!!げほっ!!・・・こほっ」
(く、苦しい・・・・)
(どうしてそうなるんだ。まったく、上杉のファンというものは理解できん・・・・!!)
「けほっ・・・」
(大丈夫なワケがないだろう。「そんなものはいない」と言ってしまえばいいのに)
(どうして嘘をつかないのだ?簡単だろうが。一言で全て終わるだろうに)
(・・・・)
(少し寂しい気もするが)
(馬鹿か、アイツは・・・・)
(ふう。なんとかごまかしたようだな。まったく。こっちまで心臓がおかしくなってしまうかと思ったぞ)
(しかし・・・何故アイツは嘘をつかなかったのだろうな。恋人などいないと)
(少し。)
(嬉しいかもしれないな)
「という事でー、今日の目玉ゲストは、今や知らない者はいない、日本を代表する国民的お笑いタレントの上杉秀彦さんです。上杉さんこんにちはー!」
「イエーッス!どうもどうも!ってぇ!オレ様マルチタレントっす!お笑いじゃないっすよー!!」
「上杉さんはつい先日またシングルを発売したという事で」
「流しますか。普通に流しますか」
「その曲が今週のオリコンに初登場6位という事で」
「いやー、ありがたいっす。皆ありがとうね!ちゅっちゅっ!ってカメラさんどうしてそこでアップにしないかな!」
「あはは、元気ですね!」
「取り柄っすからね。唯一の!」
「言い切っちゃった」
「言い切っちゃったっす」
「まぁまずは、チャートイン、おめでとうございます」
「はい、ありがとうございますっ」
「それにしても凄いですよね。お笑いなのに歌も歌える!」
「お笑いじゃないって言ってるのにー!」
「もうこれで何枚目ですか?シングルは」
「わかって来たっすよ俺様、そういう話の進め方なんスね。おかげさまで6枚目っす!いやぁもうありがたい!」
「凄いですね!ますます調子にのりますね!」
「わはは!もっと言い方ってモンがないんすか!これだからミカちゃんは!」
「何名前で呼んじゃってくれてんですか」
「こわっ!こわー!」
「もう凄い耳に残る曲ですよねコレ。私頭から全然離れなくって!」
「え、聞いてくれたんスか?」
「ていうか今どこでもかかってますよねコレ。もう、コンビニでもスーパーでもラジオでも」
「やるっスねーうちの事務所は」
「汚いですねー」
「「あはははは」」
「それでですね。番組の方に結構上杉さんへのメールが来てるんですよ」
「ほーう?どんなッスか?俺様の愛ある言葉が欲しい悩める子羊ちゃ」
「読みますねー」
「・・ミカちゃん絶対歌手よりお笑いのが向いてると思うなー」
「『上杉さんおはこんばんちわ』」
「あはははは!なかなかの猛者だ!!」
「『6枚目のシングル発売おめでとうございます。』」
「ありがとーございます!」
「『今度は何を賄賂にしたんですか?』」
「今度はねー俺さまのマルヒ映像ばかりをとった赤裸々ムービーを・・ってなんでやねーん!!」
「『今回も上杉さんが歌詞を作ったということで』」
「はいはい。調子に乗らせてもらっちゃってマース!今回も気合いだけは十分だぜ!」
「『上杉さんってやっぱり彼女いるんですねー』」
「ぶほっっっ」
「『あの歌詞、素人にはとても書けるものじゃないと思うんですよ。なので上杉さんは本当に恋をしてらっしゃるんだと思いました』」
「げほっっ・・けほ。あー・・・オレンジジュース鼻から出そう・・・」
「という感じのメールなんですが。どうなんですか?そこんとこ。」
「どうなんですかって。そんな事話せるわけないっしょー!」
「大丈夫です。コレ生ですから。一回言った言葉は取り消せません」
「大丈夫なの!?コレ番組的に大丈夫なんスか!?」
「あちらで何やら上杉さんのマネージャーさんが慌ててますけど」
「あー!!助けてーー!!助けてりっちゃん!!」
「つまみだせ」
「りっちゃーーーーーーん!!!!」
「さて。邪魔物はいなくなりました」
「ひ・・・・ひい・・・・・」
「さあ。応えてもらいますよ上杉さん。どうなんですかそこんとこ」
「え・・うー・・・あ・・・えー・・・と」
「さあさあ。何なら名前とかまで言っちゃっていいですよ」
「言えるわけないじゃないっすかー」
「て事はやっぱりいるんですね」
「・・・!!!!ひでーーーー!!!」
「さあさあさあさあ!!!・・・・・ちっ。どうやら時間のようです」
「あ、う、う、歌っすね!!歌のスタンバイっすね!!」
「生ですからね。仕方がありません」
「いってきまーす!!」
「テレビをご覧の皆様すいません。どうやらミカは上杉さんの色恋事情について追求する事ができませんでした。それでは、今週第六位に入りました上杉秀彦さんで、「夢のまたユメ」です。どうぞ!」
」