さあどうなんでしょうだっこちゃん南条。だっこちゃん。だっこちゃん。うしろからぎゅう。
私的にはあまあまをねらったつもりなんですがどうなんでしょう本当に!っていうか南条頭弱くなってませんか・・。
私設定で「ラブラブになった後」の二人なんで南条の方もかなりガードゆるくなってますが・・。
はーーー・・・見ててむかつく程のバカップルぶり。どうなのさ!!どうなのさ!!

背景がアポロなあたりもどうなのさ・・・(先輩有難うvvありがたく使わせてもらいましたvv)




                                         

大安休日家族は留守
「で、なんだコレは」
「ナニって…だっこちゃん」

明確に答えを出してくる上杉に南条はそうでは無く…と返事を返してみるが当の上杉は聞いている様子もない。
今、南条は上杉の腕に抱かれている。というのも普通に抱かれているのではなく、座っている上杉の膝の上に南条が座らされている、という状態だ。

「だぁって南条が悪いんスよー」
と自分の耳のすぐ横で上杉が口を尖らせているのがわかる。時折耳に触れる髪の毛がくすぐったい。

まぁ、確かに悪いと言えば南条が悪いのである、決定的に。


「うあぁぁっちぃぃいいいいいい!!!!」

上杉家のある一室にけたたましい叫び声があがったのはつい15分程前の事である。
今日、上杉の家は上杉秀彦を除いて全員が外出してしまっている。大安休日家族は留守。上杉は意気揚々と南条を家に呼び出したわけである。
南条は上杉が「宿題でわからないところがある」と言うと多少しぶりはしたが特に拒絶をするわけでもなく家にやってきてくれた。
上杉は南条が来ると同時にありったけの笑顔で出迎え、勇んで自室へと招きいれた。当然上杉は勉強という単語を口実の目的で出したのであって。大安休日家族は留守。この状態で上杉が大人しく勉強なんて、するはずもなかった事を南条が気付かなかったのは、まず第一の彼の失敗だろう。
「んでねんでね南条ー。俺様そん時―」
自室に入ってから上杉は先程から喋ってばかりでまるで勉強などするそぶりがない。当たり前と言えば当たり前なのだが。
「ーーーオイ。」
「ナニ?」
「貴様、今日俺がわざわざここに来たのは何の為だと思っている」
「え?愛を育む為じゃないの?」
「(ピシ)………勉強をする気は、ないんだな?」
「ねぇ南条、ちゅーしていい?」


「・・・良い加減にしないかっ!」
ガタンっ
「おわっ南条…」
南条がいきなり立ち上がったせいで、南条の腕が直ぐ傍に用意してあった紅茶のポットにひっかかり、当然と言えば当然の如く、ポットは南条の方に向いて傾いた。

「危ねっ…」
そして、ポットの中の液体が南条に降り懸かるほんの少し前に、上杉の腕が南条を強く後ろへと押した。

そして、叫び声が轟いたわけである。
「上杉!?」
上杉の叫びを聞き、体勢をすぐに取り直した南条は上杉へと体を寄せる。腕を抑える上杉に向かって馬鹿な事を…そう言おうとした時、上杉は、いつもとまったく変わらない笑顔で南条に言った。

「だいじょぶ?南条」

腕に熱湯を被ったのは自分なのに南条の心配を先にする…。そんな上杉の行動に、思わず南条は
「馬鹿者!」
とだけ言って、上杉の手をひき、一階へと降りて行った。


火傷自体は酷いものではなかったのだが、それでも相当な温度の液体を被った上杉の腕は、真っ赤になっていた。南条は洗面所につき、無言で上杉の真っ赤な腕を見つめると、少し悲しそうな目をして蛇口をひねった。


上杉の自室に戻り包帯を巻き、一応の治療を終えても、南条はむっすりとした顔付きは変えなかった。上杉はその表情を見て、少し俯く。
「ごめん」
「……何故貴様が謝る」
「だって…」
「だって、何だ」
「ナンカ、怒ってるっポイから…」
そう言うと上杉はますます俯いてしまった。
南条は、その様子を見て小さく息を漏らす。
「そうではない」
「…え?」
南条は、その細く長い指で、上杉の腕をなぞった。低く、声が響く。
「…すまなかった」


言って少ししてから、ちらりと上杉の顔を見てみるー。

「・・・なんだその顔は」
「南条が…俺様に謝った…」
「はぁ?」
「うわ…なんかちょっとカンドー…」
南条はむっとした表情を隠さずに出す。
「何を言う。俺だって自分の非ぐらい認めるぞ」
「でも南条が俺様に謝るなんてめったにないじゃーん!」
そういわれて南条は少し頬を赤らめる。
「う、うるさい!もう謝ったからな!大体貴様だって悪いー」
「許さないよ」
「っ何?」


急にそんな事を言われて南条は驚いた。
上杉は悪戯そうに微笑んでみせる。

「許さないって…貴様…」
「いたたたた」
上杉がわざとらしく腕を抱えしゃがみこんでみせれば、南条はすぐに心配そうな顔をして上杉の傍に身をよせてくれる。それが嬉しくて、上杉はつい調子にのってしまうのだ。
それを南条は気づいているだろうか。

「どうすれば…許してくれる」
南条は自分のせいで怪我をさせた事に多少負い目を感じ、下手にでてみた。これが、彼の二つ目の失敗である。
「じゃ、一個だけ俺様のお願い聞いて?」
上杉は駄目元で南条に言ってみたのだが、南条の口からは「あまりむちゃな事を言われても困るからな」と。


この時点で上杉の勝利である。いろんな意味で。


「おりゃ」
上杉は南条の肩に手を置きくるりと反転させると、自分の膝の上に南条を座らせた。そしてその腕の中に南条を優しく閉じ込める。
「えっへへ。だっこちゃん〜」
「何ぃいい??!!」

と、まぁこういうわけで南条は上杉に「だっこちゃん」状態にさせられてしまったわけだが

「えぇい!離せ!」
「やだー。一回でいいからこれやってみたかったんだもん」
「っ卑怯だぞ貴様!」
「暴れないで。腕、痛いから」
「………」
「南条、大好き」
「…何故そうなる…」
意味の通じない会話を少し交わした後、上杉は南条の肩に顔を埋め、思い切り甘えてみせた。
南条の顔が赤くなっているのがわかり、上杉はクスリと笑うと南条を抱き締める力を少しだけ強くした。
「南条、ごめんね」
「だから…何を謝るのだ」
「なんでもないっスよぅ。」
そう言って上杉はまた南条に顔をすりよせた。
南条は少し俯き、バカ、と小さく呟いて手を上杉の足におき、その身をまかせた。目を閉じると、上杉の温もりと香りが更に強く伝わって、自分は今この男に抱き締められて入るという事を理解する。南条は、自分がまんざらでもないと思ってしまった事は必死に心の中からかき消して、すこし顔を赤らめたあと、もう一度バカ、と呟いた。

日曜日の昼下がり、少しだけ暖かな時間が二人を包む。



しかし、なんといっても彼の最大の失敗は。
実は上杉から電話を貰った時点で既に勉強がただの口実に過ぎないと気づいたにもかかわらず、少しの苦笑を引き連れて、出掛ける支度をしてしまった事だろう。




FIN
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