よ、よくわかんない・・・(いきなりなんなんだ)サイトを開設する前から既にネタとして完成していたのにできたのは5月。季節外れもいいとこですね。仕方あるまい。そして無駄になが・・・(泣)
そして前作から性格変わってませんか南条さん。
実はこの話元ネタがあるんですが。今はもう連載終了してしまった大作少年漫画です。
元ネタといえば聞こえはいいですが実際ただのパクリなんだろうか(おいおい)
しかしそんなに激しく参考にはしていませんが・・・。分かった人は笑って許してください。訴えないで・・(泣)どうしても桜ネタがやりたかったんですよね。そうしたらわけのわからない事に。ところどころいろいろぼかしてみたのですが。「あの瞬間」とか。まあ分かるか。伏線になってません。ちっとも。そして自分の技量の無さを知る・・・。
ていうか今回秀彦さん大人しすぎですよね。あいやー。
桜海霞・2
登ってみると木は案外高く、南条ですら登るのに少々苦労した。あまりに凄い桜で上はほとんど見えない。あの桜の雲の上に行けばきっと見つかるだろうと南条は次々と手をかけ足をかけ木に登っていった。



そしてそこに彼はいた。




下の景色が全く見えないほどの桜の絨毯の上に、上杉は座っているようだった。
見えるものは、桜と、空と、上杉だけ。


「上杉―――――何をしている」
「南条」
南条が声をかけると上杉は南条に気づいて小さく笑ってみせた。もうほとんど酒は抜けてしまったらしく、顔の赤みも消えかけている。

「まったく。貴様こんなところで何をしているのだ」
言いながら南条は上杉の方へと近づいていく。足を踏み外さないよう注意しながら。
「何って・・・桜見てるんスけど」
「そんな事はわかっている」
そう言いながら南条は上杉の傍まで近づいた。すると、上杉はいつものように南条の肩に自分の頭を預けてくる。南条もいつものようにその頭の上に手を置いてやった。そうすると上杉は嬉しそうに南条の服を掴んできたのだった。
南条は、これが上杉が甘えている印だとわかっている為、頭の上の手を動かし、ゆっくりと上杉の頭を撫でてやった。

少しの沈黙が流れ――――。南条は、ふと、自分の服を掴んでいる上杉の手が震えていることに気が付いた。上杉のほうはと言えば相変わらずまっすぐ前を見つめ、桜に見入っている。
「?上杉?どうした貴様。震えてないか?」
南条がそう聞くと、上杉は視線を桜からそらさないまま答えた。
「だって。見てよ南条。――――――――なんか、怖いんだ」
怖い?桜がか?そう思いながら南条は言われた通り辺りを見回した。

風は吹いておらず
あるのはただ桜だけ
仲間たちの笑い声は小さくしか聞こえない。

まるで、空に浮かんだ桜の雲の上に乗っているような気がして。
「桜、確かにきれいなんだけどさ。――――――なんか圧巻じゃね?ここまでくると。
・・・・・・・・・・・・・・・・・きれい過ぎて、怖い」
そういうと上杉は、南条の服を掴む手の力を強めた。
手の震えは全く止まっていない。
南条は、表情が見えない上杉の顔を掴み無理やりこちらを向かせ、目を覗きこんでやるとそっと肩を抱いてやった。そのまま自分の方へと引き寄せる。
「なんじょ・・?」
更にもう片方の手で自分の服を握り閉めている上杉の手をそっと握ってやる。
「なんじょ?どうしたの?」
「まだ、怖いか?」
そう言って南条は、少し自分の顔が赤くなるのを感じながら上杉に視線を合わせた。
少しきょとんとした後、上杉はいつもよりも大人しい小さな笑みを浮かべた。

「えへへ・・・・・・。うん南条、もう怖く・・・」




その瞬間、突如大きな風が吹いた。
南条は急な突風に驚き、支えをとるために近くの枝に捕まろうと、上杉の肩から手を外し適当な枝に手を伸ばす。
そして上杉の顔をみると、
さっきと同じように桜の花びらが南条と上杉の間を幾つも通り抜け、しばし視界が霞んだ。上杉の笑顔に霞がかかったように見える。





消えてしまう





ふいに、南条の頭に浮かんだのはソレだった。



南条は急いで枝から手を放し、
上杉を強引に抱きしめた。
強く。強く。
強く。


ああ、そうなのだ。
南条は悟った。
ああ、そうなのだ。やっとさっきの感覚の正体が分かった。あの時も、今も、凄く上杉が儚く見えてしまったんだ。今にも笑顔を残したまま消えてしまいそうな。

そして、あの瞬間にとても似ていたんだ。
だから――――――。

「南条?南条?どうしちゃったんスかいきなり?」
腕の中から上杉のくぐもった声が聞こえる。
南条はしばらくしてから、ゆっくりとその手を放した。上杉の顔がようやく見える。
「すまない・・・上杉」
南条は目を伏せてそう呟く。目を伏せたままでいると、頬に、温かい感触がした。見ると、上杉の手が自分の頬に触れている。
「南条―――」

上杉は、大きく息を吸い込み。さっきと同じ笑顔で告げた。



「南条。大丈夫だよ。

オレ様、どこにも行かないから」




南条は、しっかりと自分の目が見開くのが分かった。驚きを隠せないままでいると、上杉はそのまま、いつもの笑顔で笑ってみせた。
「さあて、なんじょ。もうそろそろ降りよっか。オレ様酔い覚めちゃった〜。もっかい飲みなおしたいや」
そういって、自ら南条から離れると、上杉は適当に降りる場所を探し始めた。

南条は、ふっ・・と小さく笑い。目を伏せる。
そうなのだ。
そうなのだ。いつもこの男は――――――。
南条は顔を上げ、上杉の姿をその目に映した。

そして上杉が枝に木をかけた瞬間。
「まったく―――。貴様には敵わないな」
「え?ナニ?」

上杉が顔を上げた瞬間。

南条は上杉に近づき、そっと触れるような口付けをした。



桜の海の中  霞んで行く君を  思わず抱きしめる



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