特にこの話にはコメントをつける気はなかったのですが・・・。いろいろと、ねえ。
でもツッコムべきところはつっこんでおきましょう。
ええと、一応向こう側の話です。南条、廃工場にスタンバる前。(笑)しかし多少お話作りにおいて不都合な点もあったので勝手に解釈、多少脚色してしまった部分もあります。「これはそうじゃねえだろ!?」って方。申し訳ありません!この後南条はたっちゃんに伝説の日本刀をたくしブラウンチはセブンスへと走ります。そういう時間軸です。よろしく!!(笑)罪やってない人にはさっぱりで申し訳ありません!罪罰知らなくてこの話わかんなかった人はやりましょう。罪罰。上杉も南条も普通にでます!
そして「next」の文字に自分でも「続くんかい」と冷静なツッコミをいれずにはおられませんでした。うほ。
ええ・・・続いてしまうんですよ。だってこれだけだと上杉の独り言でおわるし!南条でてきてないし!
・・もう少しお付き合いくださいませ・・・

next?
君の全ての罪を泣きながら笑顔で許して
僕はこの目で嘘をつく
『Hello?Brown』
「イェッサー!俺様ことブラウンだぜーい?どしたのエリーちゃん急に電話なんて〜」
『Brown。突然ですが今日は二時にお仕事があがるのでしたっけ?』
「何よ何よ突然。おぅ!ほんっとひさびさのオフだぜ〜」
『ウフフ…それではBrown、お仕事が終わってからはお暇でして?』
「ん〜?特に何するーとは決めてなかったけど。どして?」
『Yes!それでは終わりましたらへ来ていただけませんこと?Brownに……とっておきのpresentがありますのよ』
「とっておきのプレゼントぉ?」



仕事の合間に急にエリーから入った電話。
上杉はここの所仕事が忙しく、休みが全然なかった。仕事の事もあったのだが…最近、芸能界でも噂になっている例のことを上杉は今エリーと二人で独自に調べている。二年前の、セベクスキャンダルにつながる例の事を…事が事のためおおっぴらには出来ないし、内密に動かなければならない。更に休みなく日にちを埋め尽くすスケージュール。それで上杉は最近笑顔ではだんだんごまかしが効かないほど疲れてきてはいた。できれば家で休暇をとっていたかったがエリーの誘いとあらば断るわけにはいかない。二つ返事で待ち合わせの約束をした。
「それにしても俺様にプレゼントねぇ…なんだろ。」誕生日は全然違うし…
そんな事を考えながら上杉は仕事を終え、待ち合わせ場所の喫茶店に向かっていた。一応芸能人でもある上杉は帽子を目深にかぶって人目につかない恰好をしている。

ふと、ショーウィンドウを横目に見てみる。帽子の下から覗いた自分の目、疲れた顔

あーあ、ゲーノー人がひっでぇ顔しちゃって…
少し、苦笑した。この所つづいたキツイ仕事、毎日が忙しすぎて息をつく暇さえない。楽しくないと思った事はない。だが、余りに忙し過ぎて、楽しいという気持ちさえマヒしてしまったようだ。

アイドルは笑顔がイノチよ〜
と心の中でふざけた事を考えてにかっと笑ってみせる。

馬鹿みてぇ俺…

と呟いてまた上杉は歩き始める。
忙しいっていやぁー…最近、連絡とってねぇなぁ…
上杉はふと、最近メールのやりとりをしていない、今は遠い地にいる恋人の事を思い出した。
誰よりも。大切な
声聞きたい。顔がみたいー……

あいたい

声には出さずに呟くと、何故か涙が出そうになった。慌ててそれをこらえ、ふと、空を見上げた

やだな。こんな時は思いだしてしまう。酷い時は夢にだってでる。
南条が、この手から離れていった日の事。いまだに。その記憶はセンメイで。
留学するという事は知っていた。確かに知っていた。
だが、別れ方はサイアクだったと、思う。

思ったら、南条はいつだって嘘をついてる気がする。俺が南条の言葉なら信じるしか出来ないのだと知っていて、南条はソレが嘘だと気づくこともなく嘘を付く。俺は笑顔でそれを受け止め一人で泣く。そう、誰にもわからないように。そういう事は昔から得意だった。今になっても体が覚えてる、大丈夫。大丈夫。いつからかクチグセになっていた。限界になればなるほど大丈夫の数は増えていく。そうさ、だから大丈夫、俺はまだ嘘をつける。隠していける。だからさ、いい加減キレイごとはやめにしない?
知ってるのか?南条は、俺が、南条が言った何気ない言葉で何度涙を流したか。アイツがいなくなってから、どれだけ俺が弱くなってしまったか・・。強さは、いつだって弱い自分を隠すための飾りでしかなくて。
狂ったみたいに会いたくなってそれでも言えなくて自分で自分の感情は全て押し殺して一人で泣いて一人で勝手に傷ついてんで結局は自分を追い込むばかり。

前を見て歩くなんて…出来たもんじゃなかった。一人だけ過去にしがみついて、自分一人が置いていかれる気がしていた。いつかは忘れられてしまうのではないかと。全ては幻だったのかもしれないと。あの日言った永遠も、一生も、限りのある事で、時がいつかはその言葉すら消してしまい、あの瞳で言われてしまうのか?言葉のあやだったと。自分を取り巻いている「現在」の風が居心地よすぎてもう過去の事なんか忘れちまう?目を逸らす?逃げる?同じセリフを自分ではない他の誰かにも同じように言うの?永遠だと。一生だと。そんなの御免だ。自分の一生は、もうあの人にしかないというのに。だから余計に自分一人が過去にとりこまれそうになっているのが辛い。置いていかないでと叫んでも。無駄だよ。彼の目には今日も自分以外のモノが映って、きらめいては彼をまた大きくしていく。


「っだーーーー……」
上杉はぐるぐるとしてしまった感情に思わず溜息を吐いた。盛大に。こんなにいろんな事考えたって結論はいつも同じ。
あいたい
最近は我がまま言ってないんだからたまに言う我がままくらいは聞いてよ。俺が会いたいって言うときは…もうそろそろわかってくれてるとは思うんだけど。つぶされちゃいそうな時。「お願い、助けて」のかわりに「会いたい」を言う。会いたいを繰り返すのは本当にまいっちゃってる証拠。

「暗いぜ秀彦〜〜〜」
右手で軽く自分のほっぺたをつねってみる。あーあ、と溜息をもう一つ。
アイツにあえねぇカラ…こんな疲れた顔しちゃってるんスよまったく。南条のせいだ!
と心の中で勝手に叫んでから上杉はぶっきらぼうに歩をすすめた。
家かえったら、ひさびさにメールしてやろ。俺、もう一人でもメール打てるようになったし。怒られたってうざがられたって知るもんか。
現代の若者とはとても思えないような事を呟き、上杉は曲がり角をまがった。喫茶店の、品のよい木のドアが見える。
会いたい会いたいっていくら思ったってしかたないっスね、南条は今イギリスなんだから。
そう自分に言い聞かせ、一度だけ淋しそうに笑うと、上杉は顔をあげた。
笑顔笑顔
そう決めたんだから。どんなに疲れてたってどんなに泣きたくったって俺は笑っていられる。
だから俺は大丈夫。きっと俺は大丈夫

そして上杉は喫茶店のドアを押した。ちりり…と軽い音が踊る

ドアを開けてすぐ、横から『Brown!』と呼ぶ声が聞こえた。上杉はにこやかに笑いながらそちらに顔をむける。



言葉は、出なかった。
黒い皮ジャケット
背中に大きく1の文字
きちんと整えられた黒髪
後ろ姿だったが、上杉がそれを他の誰かと見間違えるはずがなかった。


言葉は、でなかった。


そして彼はゆっくりと振り返る。
小さく、笑みを浮かべて。
「久しぶりだな、上杉」


ああ・・・どうしてそんな・・・・
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