なんなんだこれは・・。暗い。というかよくわかりません・・・・。(苦笑)
とりあえず上杉さんの苦悩を書きたかった・・・。急に。どうもやはり管理人は上杉さんの暗いとこがお好きなようで・・・久しぶりのSSなのになんでこんな暗いんだ!!
特に付けるコメントがない・・・。ご自由にお受け止めくださいませ・・・。ぴゅー(逃げ)
「彼に全てを救われるその矛盾さを僕は愛して」
よく考えたらさ。いや、考えなくてもんなこたメイカクだったわけで。
南条さ、最初のコロから思えば随分丸くなったと思うのよ。最初は触るな近づくなでそりゃ酷かったんダカラ。
そう思ったらさ、今の南条はきっと優しいんだろうね。電話をかければ面倒くさそうな声あげながらも相手してくれるし。メール入れたら短い簡潔な文だけどちゃあんと返してくれるんだ。
それから、少し、触れさせて貰えるようになった。
でもさぁ
メールを最初に送るのも俺。
電話かけるのも俺から。
会う約束をもちかけるのももちろん俺。
当たり前だけどね。南条の性格上南条からメールや電話なんてありえない
んな事わかってる。わかってんだけどさ
『なーんか…淋しい…』
はぁ…と大きな溜息をつき上杉は自分の携帯電話を眺めた。そのまま自分の部屋のベッドにごろんと寝転がる。安物のそれのスプリングが嫌な音をたてた。
感情の正体はわからない。だが胸の底から沸き上がって来る気持ちは、ただ淋しい、淋しいと。
泣き声を上げるばかり。今ここでメールをすれば南条はまたあの簡潔な文章で返してきてくれるんだろう。電話をすればぶっきらぼうな声で答えてくれるんだろう。
それ以上に一体何を望むというんだろう。それ以上に一体何を…
以前一度南条に『なーんかいっつも俺様からばっかりメルしてて俺様淋しいっスー』とぼやいてみた事がある。もちろん冗談まじりに。胸の奥に沸き上がる感情は必死に押し殺して。
『俺は貴様の淋しさを埋める道具では無い』
南条の透き通る声が、胸を貫き通した。激痛を伴ってそれは。
「そうなんスよねぇ…南条の言ってる事はちっとも間違ってないっス。うん」
一人で納得してみてから、上杉は体を反転させた。
だが、後に残るのは痛みを伴った虚しさばかり。
ひょっとしたら無理矢理付き合わせてるだけではないのか。ひょっとしたら自分なんてどうでもいい存在なのではないのか。
長いメールを返す必要も無い相手。電話で丁寧に会話をしてやる必要も無い相手。
「あー!なんかわかんねーけどモヤモヤする!」
上杉はそう言うともう一度勢いよく体を反転させる。
覚悟は、あったのだろう?それでも、愛し抜く覚悟は。なんの見返りも望まず、ずたずたの自分の気持ちを無視して。ただ、いつでもあの人の幸せだけを望み、笑顔を向ける。それが出来なければ死んでしまえばいいだろう?もともと、意味なんかなかったんだから。
上杉は、携帯電話を掲げ、無機質な待受画面を見つめた。
「それでも、それでも俺は」
言って目を閉じた。
少し考えたあと、ゆっくりと目を開け、指先をボタンへと移動させた。短い、文章を、入力する。ゆっくり、ゆっくりと。
『 』
そして、送信ボタンを押す。アニメーションが流れて、『送信完了しました』と文字がでた。
暫く上杉はその体勢のまま待っていた。ほんの少しの期待をこめて。
しかし、3分、4分たっても返事は帰ってこない。
上杉は、自分が笑っていることに気がついた。
でも、俺様そこまで出来た人間じゃないっスよ。
自分が目を背けたくなるような醜い感情がどんどんわきあがって、狂ってしまいそうになる。あぁ、でもきっと狂ってしまった方が幾分か楽なのだろう。今更そんな事に気付いて出してはならない結論を出したくなる。何年か前にも出そうとした、あの、世にいうサイアクの結末。
「サイアクかどーかなんてやった奴が決める事じゃんな」
そして、自分が考えている事がわからなくなり、
何言ってんの俺様。と呟いて、ベッドの上で大きくのびをした。
とにかく。なんか、決定的に留めをさされた気がした。諦めたような、淋しい笑顔を湛え、上杉は目を閉じた。南条、俺ねー…
呟いた。俺ね
『 』
その瞬間、持っていた携帯電話から着信メロディが流れた。呟いた言葉は派手な音楽にかき消される。突然の事に驚いておもわず落としそうになってしまった。
液晶画面を見て、信じられないとばかりに目が開かれる
ねえ、南条。それでも、俺は。
それでも。俺は。
FIN